グルメ探訪
地域共生、自然豊か、おいしい牛乳……。耳馴染みのよいフレーズの裏側には、それを生み出し、支える大勢の人たちがいる。きっと、簡単な仕事ではないでしょう。そんな懸念を一蹴するかのような笑顔に、出会ってすぐに魅せられました。
柴勇一郎さん、30歳。長野県上伊那郡にて、酪農と和牛繁殖を行う、2つの牧場を経営しています。
「正直なところ、酪農の仕事はしんどくなくはないですよ(笑)。僕自身、子どもの頃から両親の苦労を間近に見てきて、牧場を継ぐことについては、抵抗もありましたし。でも、学生時代に出会っちゃったんですよね。生命の営みというか、牛の繁殖を引き出す技術の奥深さに。恩師や仲間にも恵まれました」
柴勇一郎さん
地元出身の若い従業員が、大切に育てている健康な乳牛から毎日搾乳
ユウユウファームでは放牧で和牛繁殖を行っています
柴勇一郎さん、30歳。長野県上伊那郡にて、酪農と和牛繁殖を行う、2つの牧場を経営しています。
「正直なところ、酪農の仕事はしんどくなくはないですよ(笑)。僕自身、子どもの頃から両親の苦労を間近に見てきて、牧場を継ぐことについては、抵抗もありましたし。でも、学生時代に出会っちゃったんですよね。生命の営みというか、牛の繁殖を引き出す技術の奥深さに。恩師や仲間にも恵まれました」
この世界で生きていこう――。
そう覚悟を決めた18歳の少年は、数年の時を経て、家畜人工授精師と家畜受精卵移植師の資格を取得、祖父の代から続く酪農牧場に和牛繁殖牧場をプラスし、今では複合経営を担うまでに。
「もちろん初めは、ぜんぜんうまくいかなくて。出産してもお乳が出なかったり。でも、受胎率が高まるとともに、徐々に経営も安定してきました」
自らがロールモデルになるべく、研修生の受け入れにも積極的に取り組みます。「やっぱり、農業っていいなって思ってもらいたい。あと単純に、酪農家はカッコイイって思ってもらいたいのかも」と、茶目っ気たっぷりな口ぶりに、再び魅せられます。
地域の食材を活かした車麩の黒酢あんかけ、トマトとインゲンの洋風白あえ、秋野菜のラタトゥイユ。
そう覚悟を決めた18歳の少年は、数年の時を経て、家畜人工授精師と家畜受精卵移植師の資格を取得、祖父の代から続く酪農牧場に和牛繁殖牧場をプラスし、今では複合経営を担うまでに。
「もちろん初めは、ぜんぜんうまくいかなくて。出産してもお乳が出なかったり。でも、受胎率が高まるとともに、徐々に経営も安定してきました」
自らがロールモデルになるべく、研修生の受け入れにも積極的に取り組みます。「やっぱり、農業っていいなって思ってもらいたい。あと単純に、酪農家はカッコイイって思ってもらいたいのかも」と、茶目っ気たっぷりな口ぶりに、再び魅せられます。
おいしいヨーグルトと、集えるカフェ。
実は、これまで上伊那には、特産といえる乳製品がなかったそう。「搾られた牛乳はすべて他の地域に出荷されるんです。だから地元の人でさえ、ここで酪農が盛んということを知らなかったり。だから地元の人にも、もっと上伊那のことを知ってもらいたい。そう思って、48"クリーミーヨーグルトを作りました」(柴さん)。カラフルで愛らしい牛のパッケージについて話を向けると照れくさそうに「奥さんのおかげです」と。
聞けば奥さま、絵本や地域誌の編集者として活躍しているそうで、イラストやデザインは彼女と協力して生まれたものとか。
また昨年には、地域の食材を活かしたカフェ・レストラン「カフェ 48"ファーム」をオープン。ヨーグルトはもとより、ナチュラルフード・コーディネーターの資格をもつ叔母さまが作るランチは、ぜったい訪れる価値ありです。この日のメニューは、「車麩の黒酢あんかけ、トマトとインゲンの洋風白あえ、秋野菜のラタトゥイユ」。どうです、おいしそうでしょ?
「地域に根ざすって、たぶん心持ちが大事だと思うんです。僕は、生まれ育った上伊那が大好き。だから、地元の農業を知るきっかけになったり、食材を実際に味わえる場所を作りたかった」
そこに、気負いは見られません。ただ実直に、酪農と牧場、そして地域と向き合う青年の眼差しに、心を揺さぶられました。
実は、これまで上伊那には、特産といえる乳製品がなかったそう。「搾られた牛乳はすべて他の地域に出荷されるんです。だから地元の人でさえ、ここで酪農が盛んということを知らなかったり。だから地元の人にも、もっと上伊那のことを知ってもらいたい。そう思って、48"クリーミーヨーグルトを作りました」(柴さん)。カラフルで愛らしい牛のパッケージについて話を向けると照れくさそうに「奥さんのおかげです」と。
聞けば奥さま、絵本や地域誌の編集者として活躍しているそうで、イラストやデザインは彼女と協力して生まれたものとか。
また昨年には、地域の食材を活かしたカフェ・レストラン「カフェ 48"ファーム」をオープン。ヨーグルトはもとより、ナチュラルフード・コーディネーターの資格をもつ叔母さまが作るランチは、ぜったい訪れる価値ありです。この日のメニューは、「車麩の黒酢あんかけ、トマトとインゲンの洋風白あえ、秋野菜のラタトゥイユ」。どうです、おいしそうでしょ?
「地域に根ざすって、たぶん心持ちが大事だと思うんです。僕は、生まれ育った上伊那が大好き。だから、地元の農業を知るきっかけになったり、食材を実際に味わえる場所を作りたかった」
そこに、気負いは見られません。ただ実直に、酪農と牧場、そして地域と向き合う青年の眼差しに、心を揺さぶられました。